横綱・朝青龍が引退した。
そこに至るまでの経緯は改めて書くまでもないだろう。
ただ、それに伴う世論の流れは気になった。
引退前は「引退させろ」という声がかなりの高まりをみせていた。
ところが、実際に引退が決まると一転、「まだできる」「惜しい」などの声が半数を超えたりする。
どうやら、これは日本人特有の不思議なメンタリティーらしい。
個人的には理解できない。
そこには、マスコミやインターネットから得られる情報に左右されやすい風潮があると思う。
今回の問題に関しては、日本相撲協会自体が大きく流されてしまったように思える。
それまで決断力の欠片もなかったにもかかわらず、時間をかけるべき「引退」への決断は変に早かった。
また、親方に対する風当たりも強い。
当然と言えば当然なのだが、少々叩き過ぎの感は否めない。
誰が親方であったとしても、結果は同じだったように思えるのだが…。
そもそも、教育する間も無く横綱にまで駆け上がってしまったのだから。
｢品格は後から付いてくる｣と言って、あっさりと横綱に昇進させてしまった、当時の横綱審議員会こそ責められるべきだろう。
貴花田(当時)の横綱昇進にはあれほど｢待った｣をかけたのに…である。
その昔、女性が土俵に上がることの是非が問われた時があった。
それを女性蔑視と捉え、「時代が変わった」と解禁を求める気運が高まった。
それに対し、当時の理事長がこう答えていた。
「そういう社会が1つくらいあってもいいじゃないか」
そこには理屈もヘッタクレも存在しない。
もちろん、それでは納得がいかないという人たちもいただろう。
しかし、私はこのセリフが大好きだった。
善し悪しは別として、あの頃の相撲協会はまだ腰が座っていた。
それに比べると、今の協会は明らかにグラついている。
もっとも、前回も書いた通り、カイロプラクティック業界のグラつき加減はその比ではないのだが…。
よしっ、いつもと同じ展開になったぞっ!!
[0回]
カイロプラクティック・オフィスのHPを見ていると、たまにこんなことを書いてあるサイトに出くわす。
「当院では、ふとん等の販売は一切行っておりません」
一見、｢何だ、これ??」と思える記載。
しかし、カイロプラクターなら瞬時に理解できてしまう、哀しい現実。
せめて健康食品だったら、まだ関連性があるように思えるのだろうか…。
個人的にはよく解らない。
そもそも、健康食品って何だ??
サプリメントまでは理解できるが、それ以外となると何が何だか分からないモノまで含まれてしまう。
中には、一回の無料相談から即座にサプリメントのセットが送られてきて、解約しないと定期的に届くなんて話を聞いたことがある。
また、それでトラブルになったというケースも何件か耳にしている。
そう、この｢トラブル｣が怖い。
考えたくはないが、何か問題が生じた時、どう対処するつもりなのだろうか。
今は｢大丈夫ですよ｣と言ってられるだろうが、実のところ、何がどう｢大丈夫｣なのかは定かでない。
おそらく、物事を深く考えていない、というのが正直なところなのではないのか。
一度問題になると、その影響は計り知れない。
当人は｢自分が責任を取ればいい｣程度に考えているのかもしれない。
ところが、実際はそんな生易しいモノではないのである。
1人のカイロプラクターの失態は、カイロプラクター全体にまで影響を及ぼしかねない。
｢ウチは違う｣などと悠長に構えていても、周囲からの視線は明らかに変わってくる。
そこまで考えてくれているのだろうか??
仮に問題が発生したとして、それでも何の影響もなかったとする。
しかし、それはカイロプラクティック自体に存在感がないことをも意味している。
それはそれで問題なのだ。
ふとんはともかく、どうして健康食品などの販売に手を広げるのだろうか。
もちろん、少しでも楽して儲けたいというのは正直なところであろう。
解らないではない
が、それ以上に、カイロプラクティック一本でやってやろうという気構えは持てないものなのか。
カイロプラクティックの根底には｢イネイト・インテリジェンス｣の存在があると考えられている。
｢先天的知能」とでも訳せばいいのか、要は誰しもが有している内なる能力である。
サブラクセーションを取り除くことで｢イネイト｣が発揮され、身体機能を正常な状態へと回復に導く。
カイロプラクティック治療とはそういうものだと理解している。
だとすれば、カイロプラクターが健康食品を販売するのはオカシイのではないか。
｢イネイト｣が機能すれようになれば、健康食品など必要としないはずである。
個人的には、｢イネイト｣と健康食品は両立しないモノと考えている。
中には｢イネイト｣を信じていないカイロプラクターがいるかもしれない。
(「そんな奴はカイロプラクターじゃない!!」という意見もあるだろうが、ここでは触れないでおく)
そうだとしても、カイロプラクターがサブラクセーションを取り除く以上の事をする必要はないのではないか。
ましてや、副業として成立する程の販促ともなると、どこか胡散臭さを感じてしまう。
それで胡散臭く思われるのは当人の勝手である。
が、それでカイロプラクティックが胡散臭く思われるのは、ホントいい迷惑だ。
日本におけるカイロプラクティックの基盤は、想像以上に脆弱である。
その点を変に過信していると、とんでもないことになりかねない。
ちゃんとカイロプラクティックしなさい。
PR
