先日、地元区役所へ行く用があったので久々に歩いてきた。
最寄り駅へと続くアーケードのある商店街を進むと、100歩も歩かないうちに整体やらマッサージやらの店舗が現れた。
そこまで乱立させるほどの需要があるのか甚だ疑問ではある。
そして、もう1つの疑問に気付いた。
「カイロプラクティック」の文字を全く見かけなかったのである。
[7回]
カイロプラクティックの将来を危惧する思いはこのブログでも書き連ねてきたつもりである。
しかしながら、それに対する反応はこちらの予想以上に何もなかった。
賛同はともかく反論すら聞こえてこない。
もちろん、こんなマイナーなブログである。
全体像を反映しているとは到底言い難い。
それでもカイロプラクティック業界の停滞は明らかと言い切っていいのではないか。
事実、入学志望者の減少に歯止めがかからない。
新規募集中止すなわち廃校となった専門学校の話も耳にする。
東京カレッジオブカイロプラクティック(TCC)にもその流れは当然押し寄せる。
昨年度は開校以来初めて1ケタ代の新入生だったという。
カイロプラクティック云々以前に少子化の問題もあり、こうなることは目に見えていたはず。
そしてこの問題は今後数十年にわたり続いていくのだ。
「ウチだけは大丈夫」などとは思ってなかったろうか。
そうだとしたら、かなりおめでたい。
そうした危機感は外部の人間の方が強く感じられるのかもしれない。
卒業生たちが真っ先に動いた。
考えてみればすごいことである。
母校の存続を願うために卒業生が動く。
こうした働きがあれば専門学校のいくつかは閉校を免れたのかもしれない。
思えば十数年前、アメリカのナショナル(NUHS)も新入生が1ケタ代に落ち込んだと記憶している。
この時もまず動いたのは卒業生だったと聞いた覚えがある。
愛校心が芽生える程の学校にまで至ったという事実は素直に喜ばしく思う。
喜ばしいとともに驚きの事実がもう1つ。
ここ数年、TCCの同窓会は「同窓会を盛り上げよう」という趣旨で集まっていた。
今回はそれを「学校」に置き換え、卒業生による体験込みの学校説明会を開催したのだった。
ここまでならよくある話である。
驚きなのは、体験の中にアクティベーターやグラストンといったテクニックが含まれていたこと。
学校で教えていないテクニックを行うというのは、ある意味「掟破り」と言えよう。
学校説明会というよりカイロプラクティックの体験会になってしまっている。
これにGOサインを出した側もそうだが、出させた側も大したものである。
それほどまでに切羽詰まった状況にあることが見て取れる。
もちろん、学べるモノ学べないモノの説明はなされていた。
体験された方々からするとわかりにくい部分はあったかもしれない。
それも手伝ってか、各テーブルにおける体験者からの質問が止まらない止まらない。
おそらくキレイゴトの応対をしていないから興味も湧くのだろう。
「このチャンスを逃してなるものか」という面もあったのかもしれない。
手ごたえはあったと思う。
事実、その場で入学を決めた人も数人いたと聞いている。
イベントとしては成功と言っていいだろう。
ただ、これで終わる話ではない。
むしろ始まりである。
そして今後数十年にわたり続いていく話。
決して終わらせてはいけないし、終わらせるわけにはいかない。
カイロプラクティックの何がすごいのか、カイロプラクターなら皆知っているはずだ。
多くはそれを体感そして実感したからこそカイロプラクターとしての今があるのではないか。
ならば、今度はそれを自らの手で伝搬していくのが必然であろう。
TCCとしては専門学校という他の選択肢が少なくなった分、チャンスではある。
それでも業界全体の低迷と4年という長さに躊躇する流れを覆すのは容易ではない。
ましてやこの実感のない景気の良さの最中では尚更である。
そんな中、卒業生が立ち上がってくれたのはヒジョーに心強い。
個人的には『卒業生と学生との関係性を密に』と言い続けてきたのだが真剣に取り合ってはもらえなかった。
そうした関係性が改善されていくのかが1つのポイントだと思っている。
とにかくカイロプラクティックが盛り上がらなければ話にならない。
団体がいくつあろうが業界は1つでしかない。
学校が違う
バックグラウンドが違う
学生時代に良い思い出がない
どうだっていいんだよ、そんなモン。
後付けの言い訳だろうが。
カイロプラクティックを生業としているのならばカイロプラクティックを盛り上げることを考えてくれ。
立ち上がって動き出してほしい。
今のカイロプラクティック業界は慢性腰痛・頭痛に悩まされているようなモノ。
早期に適切な処置を施していれば慢性化は防げたのではなかったか。
今更ジローである。
だとすれば、どう対処すべきなのか。
カイロプラクターだったらわかるはずだ。
盛り上げてほしいね、ガンガンと。
盛り上げていくよ、ガンガンと。
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