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結構前の話になってしまったが、今年もJACの総会に出席してきた。
CCEにおいてカイロプラクティックの定義が変えられたこの年。
日本の代表団体であるJACがどのような方向性を示してくれるのか、大いに楽しみにしていた。

で、結果から言えば、私の知る限りサイテーの総会であった。

例年であれば、この1年の活動報告等を記した冊子が配布されるのだが、今回は何もなかった。
何もないところに、理事長殿がただ只管ダラダラと報告を読み上げるだけ。
その中身もまた、ここ最近では最も短いモノだった。

何にもない 何にもない 全く何にもない…。

何もなさ過ぎて、総会は小1時間で終了となった。
あまりにも何もなかったことで、逆にあるコトが理解できた。

JACには方向性はおろか、意思そのものがないのである。

拍手[3回]

その昔、SONYが“ウォークマン”という画期的な製品を世に送り出した。
好きな音楽を持ち歩けるだけでなく、これにより“モノラル”と“ステレオ”の違いを知った人も少なくなかっただろう。

ヒット製品が生まれれば、他社も当然黙ってはいない。
“カセットボーイ”や“ウォーキー”といった名称の製品が店頭に並ぶようになった。
しかし、何もわかっていない多くの人が店員にこう尋ねていた。

「あのー、”ウォークマン”あります??」

そう、いつしか「ポータブルステレオカセットプレーヤー=“ウォークマン”」という認識が広まっていた。
“ウォークマン”はここに確固たるブランド力を構築したのである。

で、話を元に戻す。

“カイロプラクティック”には“ウォークマン”のようなブランド力がない。
特に、日本においては“整体”の方がその力は強い。
それが許せないから、JACは“国際基準”カイロプラクターの産生にこだわるのだろう。

カイロプラクターである身としては、確かにカイロプラクティックと整体を一緒くたにされるのは面白くない。
個人的には正直、不愉快だ。
しかしながら、そんなカイロプラクターの気持ちなど、施術される側からすれば知ったこっちゃないこと。

加えて、日本ではいわゆる“カイロプラクター”側にも問題がある。
たとえば、先に述べた“ウォークマン”“ウォーキー”それに“カセットボーイ”など、
いずれにしてもポータブルステレオカセットプレーヤーであることは間違いない。

ところが、“国際基準””専門学校卒”“短期間私塾”の全てがカイロプラクティックとは限らない。
しかも、ここに“週末セミナーのみ”や“シロウト”までもが入ってくるのだから、タチが悪い。
あまりにもニセモノが多すぎる。

日本のカイロプラクティック業界においては、そのモラルの低さに驚かされる。
ニセモノのブランド品を平然と売りまくるアジア諸国のそれと大差ないレベルだ。
「何が悪い??」と平気で言ってのけそうなところまで、ほぼ同レベルといっていいだろう。

そうした現状を抑止すべく、JACが規制を厳しくすることには一定の理解ができる。
もちろん、単なる抑止だけでは埒が明かないので、法制化による法的抑止を求めようとする。
これもまた至極当然として理解できる。

理解できないのは、JACがこの状況下において意思と方向性を明確に示せない点である。
「~~してました」「~~しました」のような、いかにも「仕事してました」アピールに時間を割く必要はない。
そんな時間があったら、先の展望を話せというのだ。

思うに、国際基準やWHO基準といった、自らが高く掲げる理想に縛られ過ぎて、逆に身動きが取れなくなっているのではないか。
動きが取れなくなった者ができることなんて、それこそ高が知れている。


とか、好き勝手に書いていたら、JAC側から反応があった。
現在、今後の方向性その他について取りまとめている最中だという。

うーん…、総会前にある程度まとめて、それに関して総会で喧々諤々して、その上で一定のモノを作成するのが本当じゃあ…。
正直、アクションが遅いかな…。
そして、下々の意見を吸い上げることもなく、どうまとめてくれるのか…。

まあ、近日中に形となると信じて、もう少し好き勝手に展開していこう。

個人的には、カイロプラクティックにおける日本発のフォーマットを形成してしまえばいいと思っている。
もちろん、そこには“サブラクセーション”の文字も記されているべきである。
そして、それを世界に向けて発信するのだ。

かつて日本は世界を見て、そこでカイロプラクティックを見つけ、取り入れてきた。
以来、カイロプラクティックの変化を知るべく、世界を見続けた。

我々がそうするのと同様に、世界もまた日本を見ているはずだ。
そこで、本来在るべき姿であるカイロプラクティックを発信していけばいい。

当然、反応は返ってくる。
返ってこなければ、ハナっから相手にされていなかったということだ。
それならそれで、発信し続ければいい。

いずれは共感と共に、形を変えたオファーも飛び込んでくるだろう。
中には、オイシイ話も出てくるかもしれない。

しかし、話にのって簡単に妥協してはいけない。
そんな妥協の余地を許さないくらい、確固たるフォーマット創りが求められる。

それだけのフォーマットがあれば、逆に法制化が進むかもしれない。
それ程までに、現状があまりにもフワフワし過ぎている。

さあ、どのような形になるのか…。
楽しみにしてもいいのかな。

甘いか…。
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