このところ、「カイロプラクティック」の文字を中吊り広告で目にするようになった。
しかも、それなりに結構大きめの活字でである。
注目されるのは好ましいこと。
あとは、その内容だけだ。
つい最近では、『「巻くだけダイエット」では痩せられない』という見出しが目に留まった。
単にそれだけの見出しなら確実にスルーするところである。
が、むしろその横に添えられていたキャッチの方に目がいった。
「カイロプラクティックの権威がバッサリ」
私は思った。
『「権威」って、誰??』
電車を降りて、早速本屋の週刊誌コーナーへと足を運んだ。
読んで、再び私は思った。
『あの先生、「権威」だったのか…』
別にケチをつけている訳ではない。
全く接点のない先生だったから、「権威」と呼ばれるまでの方だとは存じ上げなかっただけである。
単なる私の認識不足に過ぎない。
それはそうと、この記事のメインとなっていたダイエット法である。
おそらく、結構前から私は知っていたと思う。
ただ、これほどまでに評判のダイエット法だったとは知らなかった。
しかも、これを考案したのがカイロプラクターらしいのだ。
おやおや…。
[8回]
おそらく無視できないくらいの質問や問い合わせがあったのだろう。
私の知る数人の先生方がそれぞれのブログで取り上げていたことも知っている。
私がこのダイエット法を知ったのは、単なる偶然である。
これを考案した先生の名字が私と同じなのだ。
そして、私はともかく、相手もどうやらカイロプラクターらしい。
それらで検索をかけると、このダイエットがすぐに出てきた。
「何だ、コレ??」
あとの感想は、他の先生方のそれと大差はない。
そもそも、考案者が「カイロプラクター」を名乗っているから話がややこしくなるのだ。
プロフィールを見ると、テキサス・カイロプラクティック・カレッジ(あっ、略すとTCCだ…)で勉強したとの記載が。
しかも、「カイロプラクティックを中心に、解剖学、生理学、リハビリテーションを習得」とある。
オカシな記載である。
何故にわざわざ解剖学と生理学を強調する必要があるのか。
想像するに、日本の専門学校あるいは団体による短期海外研修ではなかろうか。
仮にそうだとすれば、短期での「習得」には少々恐れ入る。
事実、この方にはD.C.の肩書が無い。
…D.C.じゃない場合、あまり学校の名前は出さない方がいいような気がするのだがな…。
もっとも、これは私の経験上の意見。
マイナスこそあれ、プラスに働くことはほとんどない。
むしろ面倒が増えるだけだ。
それはいいとして、肝心の雑誌の記事では見出し通り「バッサリ」やられていた。
先の「権威」先生だけでなく、医学博士の先生からもバッサリである。
それに対して、考案者の言い分も幾つか書いてあった。
が、最終的には「それって、ただのダイエットじゃないの??」のような一言で締められていた。
まさに、掲載した雑誌編集側からもバッサリといった感じだ。
もちろん、記事なんてモノは編集の仕方次第でどっちにも転がるだろう。
考案者の意がそのまま汲み取られた内容の記事だったかまでは定かでない。
ただ、ハッキリ言って、そんなことはどうでもいいのだ。
問題は、こんなしょーもない話に「カイロプラクティック」が出てきてしまったことである。
経緯はどうあれ、カイロプラクターが考案したダイエットグッズ。
ここから「カイロプラクティックがダイエットに効く」と短絡的に考えられてしまうかもしれない。
そもそも、カイロプラクティックがダイエットと直接関係してくることはない。
それくらい、ちゃんとカイロプラクティックを勉強・実践していたら解ることだ。
そのあたりは「習得」できていないのだろうか??
今、カイロプラクティックに必要とされているのは、一般に向けての正しい認識である。
それに率先して携わるべきカイロプラクターが、その邪魔をしてどうする??
たとえ本人にそうした意図が無いとしても、現状のままでは世間に間違った影響を与えかねない。
確かに、それは単なるダイエットグッズかもしれない。
しかし、それをカイロプラクターが考案したとなると、単なるグッズだけでは済まなくなる。
それほどまでに、日本のカイロプラクティック業界は脆弱なのだ。
もしカイロプラクターを自認するのであれば、まずカイロプラクティックをちゃんとしてほしい。
もっとカイロプラクティックを大切にしてほしい。
まあ、結果はどうあれ、考案者が有名なカイロプラクターになったことは間違いない。
ならば今度は、カイロプラクティックの普及にも真剣に取り組んで欲しいものだ。
名前だけの普及では意味がない。
サブラクセーションも含めたカイロプラクティックの本質から広めていかなくてはならない。
カイロプラクターであるならば、当然の務めと言えよう。
ちゃんとカイロプラクティックしなさい。PR