以前、ちょうどクレームのお題でブログを書いていた時、リスクマネージメントに関するアンケートが届いた。
学校の後輩からで、卒業研究のデータとして使われるのであろう。
私の場合、以前紹介した「プロジェクト M」がそれにあたる。
私はアンケート形式こそ用いはしなかったものの、同じ道を通ってきた者として、研究の苦労は知っている。
それだけに、そうした後輩のために一役買うべく、答えるのは一向に構わないと思っている。
が、設問があまりにも稚拙すぎるので答える気にならなかった。
リスクマネージメントを聞いているのに、自分たちのリスクが全然マネージできていない。
困ったもんだ。
設問次第では面白いデータを集められそうなテーマなのに、モッタイナイ…。
自分の中でも消化不良感があるので、ここで少し書いておきたい。
[3回]
アンケートは2部構成となっており、「治療」と「治療以外」のクレームに分けられていた。
そもそも、「治療」という言葉を使っている時点からして、「違うなぁ…」という感覚ではあるが…。
「リスクマネージメント」を考察するのなら、「治療」という表現はマズイでしょ、日本の場合。
まあ、そのあたりは取り敢えず置いておくか…。
「治療」に関しては、まず使用しているテクニックを尋ねられた。
続いて、クレームが付けられた「治療」部位とその具体的内容、そしてその際の対処。
以下、対処に関する反省と今後における対応策、といったものだった。
「治療以外」に関しては、クレームの対象者(受付・スタッフ等)とその内容。
上記同様に、対処と対応策について、だったと記憶している。
クレームには正当なモノと正当とは言えないモノがあると、前回書いた。
正当なクレームとは、言い換えれば施術側のミスとも言える。
今回のアンケートはミスを前提とした聴き様にも取れたので、答えていて気分はよろしくない。
クレーム多発部位を聞いてどうするのかは不明である。
原因と考えられるそのほとんどは、おそらくリスティングのミスを含めた強引な施術によるものだろう。
だとすれば、その対策は明らかである。
それとも、それ以外のレアなケースを知りたかったのだろうか??
それならそれで興味はあるが、通常の臨床内ではおおよそ考えられない。
一方、正当とは言えないクレームとは、言い換えれば「難クセ」である。
こちらが通常通りだったとしても、クレーマーはちょっとしたほころびを見つければ、すぐに引っ張ってくる。
「難クセ」だけに、何でもアリだ。
「難クセ」に対して、一瞬でも怯む態度を決して見せてはいけない。
こちらの見せるアクションが、そのまま「付け入るスキ」となるのである。
以前書いた通り、まずは3分間、相手の言い分を聞こう。
必要とあらば、メモも取っておいた方が良い。
とにかく、終始毅然とした態度で臨むことが大切である。
ただ、正当であってもなくても、初回の施術前に適切な説明をしているかどうかがキーとなるのは間違いない。
一概には言えないが、クレームをつける人には物事を自分の都合の良いように解釈する傾向があるように思う。
それ故、大切なことは初回だけでなく、施術の際に繰り返し触れておくべきだろう。
どんなに丁寧に説明したとしても、「聞いてない」と言われてしまえばそれまでだ。
説明は一方通行でも、独りよがりでも効果は期待できない。
まして、カイロプラクティックを熱く語り続けることも、相手によっては命取りになりかねない。
初回はともかく、回数を重ねることでその人となりは分かってくる。
相手に即した臨機応変さは求められてくるだろう。
ラポールが形成されていれば、トラブルもそうは発生しないはずだ。
仮に、それでもトラブルが発生したとすると、それはおそらく施術側の人となりに問題があるのだろう。
自覚のない変人の多い業界だけに、無視はできないところではある。
根本かつ致命的な問題だけに、しっかり取り組んで頂きたいものだ。
実際、クレームがつくのはまだマシなのかもしれない。
クレームもつかずに、そのままフェードアウトしていく利用者がほとんどなのだから。
ある先生は「クレームこそがカイロプラクターを育ててくれる」と話している。
たとえ「難クセ」であったとしても、将来への糧として捉える事が出来ればプラスの経験となるだろう。
もっとも、その境地に到達するまでにも様々な経験が必要となるわけだが…。
ところで、RMIT(現・TCC)にはリスクマネージメントに関する授業があったと思うのだが??
それでも、わざわざアンケートを取るというのは、一体??
授業内容を実証したかったのかな??
うーむ、聴講しに行こっかな…。
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