ゴルフを本格的に始めてもうすぐ2年になろうとしている。
一時期はいい感じでスコアが伸びていき、また久々の運動ということも手伝ってかヒジョーに楽しい。
もっとも、“ものすごくヒドイ”状態が“ヒドイ”のになった程度のモノで、まだまだ低空飛行だ。
ところが、このところこの“ヒドイ”のが“ものすごくヒドイ”スコアに戻りつつある。
ミスショットはもちろんあるが、以前に比べたら全然少ない。
飛距離も伸びてきているし、ヒットした打球は概ね真っ直ぐでOBも滅多に出さない。
にもかかわらず、である。
これはどういうことなのか。
私はラウンドの度、iPhoneに記録を残している。
ここ2年弱の間に集積されたデータから、ある数字に目が留まった。
平均パット数:2.4
つまり、各ホールで2パット以上打っている計算になる。
確かに、私のパットはヒドイ。
自覚もあったので、それなりに練習は積むものの、結果には一向に結びついてこない。
そうしたモヤモヤを抱えながらのラウンドの最中、あることに気がついた。
『?? オレの身体、曲がってねぇか??』
[4回]
パットをするために構えた時、足は狙いに対して垂直の角度を保っている。
が、上半身は右肩が前方へ出ているため、狙いよりもかなり左を向いていることになる。
ところが、その事実を頭を右に回すことで補正しているので、視界上は全く問題がなく気づかなかった。
結果、「どこ狙ってんだよ??」という呆れ声を浴びせられ続けていたわけである。
なるほど、これじゃ的外れのところへ打つのも合点がいく。
カイロプラクターは姿勢のエキスパートでもある。
そのエキスパートの姿勢が歪んでいるというのは何とも恥ずかしい限りだ。
とはいえ、その歪みも仕事によって作られたモノ、言わば“職業病”だと思っている。
どうしても右肩を前に出す姿勢を取る時間が長くなり、経年と共に染みついてしまったのだろう。
極力気にしているつもりではいたのだが…。
曲がっている分を計算に入れてパットをしてみた。
すると、5~6m位のパットが立て続けに入ったではないか。
なるほどな~。
そんな“姿勢”に対する注目度は相変わらず高いようだ。
先日も「笑っていいとも!!」の1コーナーで姿勢に関する内容が2週に亘って取り上げられていた。
講師はカイロプラクターではなさそうだったが…。
内容は、我々からすればどうってことないというか、ぢつに当たり前な話であった。
しかしながら、出演者を始め観覧者たちの反応はかなり大きく感じた。
カイロプラクターとしてはやはり、姿勢の重要性をもっと強く訴えていかなくてはなるまい。
ただ、強く注意しなくてはいけない点もある。
姿勢の改善は飽くまで二次的な結果として現れるモノだということだ。
例えば、私のように右肩が前方へ出ているとする。
ならば、右肩を後方へ引くように指導することになるだろう。
多くのメディアで紹介しているのも、大抵がここまでで終わってしまう。
ただ、それだけだと身体の他の部位に弊害が出る可能性が高い。
カイロプラクターが対症療法のようなマネをしても意味がない。
何故そうなっているのか、またそうなってしまうのかを考える。
原因に対して施術を行うのがカイロプラクターなのだから。
残念ながら、この辺りを曖昧にしている指導者が多いように思えてならない。
というよりも、そこの重要性を理解していないようにも思える。
もちろん、姿勢を指導するだけの人であれば、それで構わない。
しかしながら、カイロプラクターを名乗るのであれば、そうした曖昧さは許されないところではないか。
そうでなければ、それこそいつまで経っても結果が出てこない。
カイロプラクターはサブラクセーションを取り除くのが仕事である。
サブラクセーションが取り除かれたことで身体が正常な機能を取り戻し、結果、姿勢が改善へと向かう。
これが本筋だと信じている。
そもそも、カイロプラクティックと姿勢との関係を明確に結びつけられる人もそう多くはない。
このことについては、このお題のPart 1でも述べた。
書き上げてから既に2年以上経っているが、世間での認識の度合いに然程の変化は感じられない。
“カイロプラクティックの正しい認識”という結果が未だ得られないのは、我々カイロプラクターの“運動不足”によるもの。
カイロプラクティックをもっと身近に感じ、もっと興味を持ってほしい。
“姿勢”もそのきっかけの1つとして挙げられる。
カイロプラクティックへの入口が“姿勢”である分には一向に構わない。
むしろ歓迎したいと思う。
始まりはどうあれ、カイロプラクティックの魅力にどっぷりハマってくれればそれでいい。
しかし、カイロプラクターがそれでは困る。
“姿勢ありき”ではなく、“カイロプラクティックありき”でなくてはならない。
そうでなくては、カイロプラクティックそのものが理解されようはずがないではないか。
確かに、“予防医学”としての観点からすれば、“姿勢ありき”もアリである。
予め姿勢を正すことでサブラクセーションの発生を抑えるという、その意義は決して小さくはない。
ただ、日本ではカイロプラクティック自体がまだまだ正しく認識されていないという現状がある。
そこでカイロプラクターが“姿勢第一主義”を打ち出すと、それこそが“カイロプラクティックである”と思われかねない。
まして、その気になれば誰でも“カイロプラクター”を名乗ることができるという土壌である。
在らぬ誤解を招く、そのリスクもまた小さくはないだろう。
要は、カイロプラクティックが本当の意味で浸透・理解されていないから、このような話になる。
だからこそ、カイロプラクティックの真の意味での啓蒙が最重要視されるのだ。
尚、誤解の無い様にいっておくが、私は姿勢指導に力を入れている先生方を批判しているわけではない。
メディアからスポットを当てられ流行モノになりつつある“姿勢”に警鐘を鳴らしているだけだ。
それと共に、カイロプラクターとしての意識にも同様に警鐘を鳴らしたいと思う。
私はこの先、“姿勢”が“巻くだけダイエット”と同列で扱われていくことをヒジョーに危惧している。
“姿勢”は流行モノでもファッションでもない。
その重要さを誰よりも理解できているのがカイロプラクターであるはずなのに…。
カイロプラクターが“姿勢”の管理ができなくて、どうするよ??
カイロプラクターであるとの自負があるのなら、まずはカイロプラクティックをすべきである。
(この“まずは”という表現も本来はオカシイのだが…)
だから、私はこう言い続ける。
ちゃんとカイロプラクティックしなさい。
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