ネット掲示板、HP、ブログ、そしてツィッター。
「カイロプラクティック」を取り上げているサイトはかなりの数に上る。
その中で、私が前々から気になっていた表現がある。
オフィスを訪れる人を称する時に用いられる「クライアント」という表現である。
Britishでは「client」に「患者」という意味があると、辞書に書かれている。
『「patient」は受身的なマイナスイメージを伴う』との理由から、「client」に置き換える動きもあるらしい。
そういう意味では、時代の流れの先を行っているのかもしれない。
ただ私の中では、米語でよく用いられる「顧客」や「依頼主」という意味合いが強い。
そのため、個人的にはヒジョーに違和感を感じている。
丁度タイミング良く、私の知るカイロプラクターがブログで『「患者」と呼ばない理由』を書いてくれていた。
1つは、「患者」とは「心に串が刺さる者」と書くから。
そしてもう1つは、予防や健康管理が目的の人を「患者」と呼ぶことに抵抗がある、とのことだった。
なるほど、面白い。
でも、私の感覚とは少し違っている。
[3回]
そもそも日本において、カイロプラクターは「患者」という表現が使えない。
私の認識に誤りがなければ、「患者」と呼べるのは有国家資格者のみだったはずである。
(違っていたら申し訳ない)
ただ、それに取って代わる適切な表現がないというのも事実。
「クライアント」も言わば苦肉の策といったところなのだろうか。
(「クライアント」が最適と考えている方には、これまた申し訳ない)
私はこのブログの中では、敢えて「患者」という表現を用いていない。
その本人の言葉だったり、海外での話以外では、使わないようにしている。
特別そう決めている訳ではないが、おそらく「利用者」という表現が最も多いのではないだろうか。
理由は単純で、「患者」という表現を用いたことについて、とやかく言われたくないからだ。
まあ、どんな表現を使ったところで、文句を言う輩は言うのだろうけど…。
オフィスに来られる方々は、自らを、あるいは他の人の事を「患者」という言葉で括ることがある。
それに対し、違う表現で返すことによる混乱を招くというのは決して本意ではない。
「患者」表現を使えない旨を逐一説明するのも、どうかと思うし…。
「患者」「顧客」「利用者」…。
いかなる表現を用いようとも、私の中では誰もが「patient」である。
「patient」の和訳が「患者」であり、しかしその使用が規制されている。
「患者」と呼べないから呼ばない、使えないから使わない。
それだけのことだ。
冒頭で「クライアント」のことを述べた。
もし「患者」もしくは「patient」の置き換えとしての「クライアント」であれば何の問題もないだろう。
しかし、「クライアント」側との共通の認識がないと、つまらない問題が生じかねない。
例えば、「クライアント」として上からの目線で注文をつけてくるかもしれない。
また、「クライアント」としてオフィスに居座り、サロンのように利用してくるかもしれない。
自分のオフィスにおける「クライアント」としての在り方をちゃんと説明すべきである。
先の先生のように、ブログでその意義を唱えるのも1つの方法だと思う。
もちろん、初回にその説明があるのがベストだろう。
言葉尻を捉まえただけのつまらない話かもしれない。
しかし、どこにモンスターがいるかが分からないご時世である。
「ほころび」がないに越したことはない。
こんなことにも気を遣わなければいけないというのは、ムダな労力である。
毎度のことながら、嫌気がさしてくる。
気を遣うべきことは他にもっとたくさんあるのにね…。
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