ネットをいろいろみていると、様々な情報が発信されている。
カイロプラクティックに関する情報もまた様々だ。
その多くは、カイロプラクターによる情報発信である。
が、カイロプラクティックを受けた側からの意見も少なくない。
本来は、アンケートに協力してもらうことで初めて触れることができるような意見の数々。
それが、頼みもしないのに自らの意思で語られているというのは貴重である。
良きにせよ悪きにせよ、カイロプラクティックが少なからずのインパクトを与えたことは間違いない。
まあ、ブロガーにとっては単なるネタの1つにしか過ぎないのかもしれないが…。
利害も屈託もない意見は、非常に興味深い。
もちろん、読んだだけでは結局カイロプラクティックだったのか整体だったのか判断しかねる部分もある。
そして、様々な情報と共に、様々な誤解もまた、あるものである。
ここでは、そんな誤解にスポットを当てていきたいと思う。
[0回]
とあるブログに、以下の一文があった。
「どうせカイロプラクティックを受けるなら、アメリカで勉強してきた人の方がいい」
まあ、理解できない考えではない。
ただ、その後が面白かった。
「アメリカで開業するには医師免許を持つことが前提、と聞いたことがある」
全然違うけど、まぁ惜しいといったところか(変な日本語だな)。
カイロプラクティックにどっぷり浸かっている私たちには、もはや思いもよらない誤解の仕方。
このブログに目を通す人にはもはや必要ないことだろうけれども、一応誤解は解いておこう。
アメリカで開業する場合、まずカイロプラクティックを修了しD.C.の学位を得なければならない。
そして、日本でいう国家試験に相当するナショナル・ボードと呼ばれる試験がパート1から4まである。
また、オプションとして理学療法の試験もある。
これらを全て合格しなければならない。
「医師免許を持つことが前提」というのは、このあたりの話が混同してしまっているのだろう。
当然であるが、医師免許は必要ない。
ただ、開業するにあたっては、他に開業を希望する州が独自に設けている開業試験にも合格しなければならない。
州試験には道徳やX線写真の読影・診断はもちろん、撮影に関しての内容も含まれる。
“州”試験であるから、州を越えて引っ越した場合、引っ越し先の州試験を改めて受験しなければならない。
州試験をパスして初めて、D.C.と書いた名刺を配ることができる。
それ以前に行うと条例違反として、最悪、逮捕もありうるらしい。
免許には更新がある。
更新に際し、カイロプラクターとしての質を低下させないために、予め指定されたセミナーの中からいくつかを受講しなければならない。
アメリカで開業するには、これだけのことが最低限必要となる。
私の持つ情報が古くて、変更点はあるかもしれないが、それほど大きく変わってはいないだろう。
これだけを見れば、「アメリカで勉強してきた人の方がいい」と思える面もあるかもしれない。
少なくとも、ある程度の“保証”にはなるだろう。
哀しいかな、日本ではこの「ある程度の“保証”」に格差が生じてしまうのが現状である。
学位にしても、以前書いたとおり「多めに勉強した」ことの指標に過ぎず、その内容量には差があるだろう。
「国際基準」の単語も、「言ったモン勝ち」の側面があることは否めない。
日本に居るD.C.はおそらく200人に満たない。
「アメリカで勉強してきた人」が手の届く範囲に居る場合はいいが、日本全体でみれば手の届かない場所がほとんどだ。
「当たり」「ハズレ」を憂慮して、カイロプラクティック治療に一歩踏み出せずにいる人もいるに違いない。
最終的には口コミによるところが大きいのだが、その一歩が踏み出しにくければ口コミも広がりようがない。
D.C.である・ないではなく、カイロプラクティックそのものをより身近に接してもらえる環境作りが不可欠となる。
幸いにも、当のブログ主はカイロプラクティック治療に満足したようだった。
「想像していたのと違って…」との一文もあったが、これはまた別の話。
とにかく、こうした疑問や誤解を逐一解明していかなければならない。
それがカイロプラクターとしての使命であろう。
地道に、地道に。
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