時間は7時を過ぎ、紅白も第1部が終了した。
未だ誰1人来る気配はない。
第2部までネットサーフィンなどで更に時間を潰す。
8時が過ぎた。
紅白の第2部がスタートする。
第1部でも感じたが、久しぶりに聴く日本の曲はいいな～と改めて思う。
9時が過ぎた。
ちょっと遅くねえか??
しかし連絡が取れない。
当時、アメリカではまだ携帯電話がそんなに普及していなかった。
Aクンのアパートに電話をしてもいいのだが、共有している電話機はRチャンの居住区域近くにある。
よって、電話をかけてもRチャンが出る可能性が高い。
ハリケーンの目にわざわざ避難計画を漏らすことはできない。
時計の針は10時を回った。
さすがにもう来ないだろ…。
諦めに近い形で、ビールをタブを開けた。
♪～きっと君は来ない～ 独りきりのNew Year's Eve～♫
11時。
紅白が終わった。
年越しどん兵衛の準備をし、食べる。
全く足りないので、近くのJack in the Boxでハンバーガーを購入する。
いやぁ、あの日は飲んだなぁ…。
[1回]
事の真相が判明したのは、新年が明けてしばらくしてからだった。
まず、クリスマス前に動きがあったらしい。
めでたくアベックとなったMクンとKチャンであったが、Rチャンのハリケーンは勢力が衰えなかったという。
攻撃こそなかったが、Kチャンに対する口撃はかなりのものだったと聞いている。
そして、MクンとKチャンはクリスマス前に旅行に出たらしい。
“避難”という名のバカンスだ。
行く宛てを無くしたハリケーンはその場に停滞し、ただ被害だけを拡大していく。
他のルームメイトも冬休みで帰国していたりしたので、Aクンたちが逃げ遅れるのも時間の問題だった。
そこで、Aクンと友人は急遽、旅行を決行したのである。
こちらは、文字通りの“避難”であった。
理由はどうあれ、皆、貴重な冬休みを旅行で満喫し、楽しそうだ。
一方、私はどこまでも独りだった。
Rチャンと違い、ただ意味もなく独りだった…。
おかげで、録画した紅白を何度も見直してしまった。
幸か不幸か、じっくりと見てしまったので、紅白に関するいろんなことを思いついてしまったのだ。
思いつき過ぎて、それを文章に起こすことにした。
それが、私の人生初のホームページだった。
テーマは特に決めずに、思いの丈をひたすら書き殴った。
紅白に始まり、芸能、スポーツ、マンガ、世相、もちろんカイロプラクティックについても書いた。
幸か不幸か、時間はたっぷりとあったし。
紅白に関しては、その後4年に亘り、毎回レビューのような形で書き続けた。
自分で言うのも何だが、それなりのクオリティは保っていたような気がする。
事実、NHKの紅白担当の方からメールを頂戴したことがある。
「自分たちの仕事を細かいところまで見てもらえていることが分かって嬉しい」と、ヒジョーに感謝されてしまった。
私としても、自分の作文が認められたような気がして、とても嬉しく感じられた。
それもこれも、全ては私が独りだったからだ。
このブログも6月半ばから始めて約半年。
週2回のアップという、内容量からすればなかなかのハイペースではないだろうか。
どうしてそこまで書けたのか…。
何故ならば、独りだからだ。
「これからもずっと続けてね」と、ある人は言う。
「ずっと」かどうかは分からないが、もうしばらくは続けていくことができるだろう。
何故ならば、独りだからだ。
今後、更新が滞るようなことがあるかもしれない。
書き手としてある程度満足したか、ネタが枯渇したか…。
あるいは、恋に現を抜かしたか…。
考えられる理由はそのくらいしかない。
このブログの存在自体を面白くないと思う貴兄もきっといることだろう。
閉鎖を願うのであれば、誰かを紹介して欲しいものだ。
全てはそれで解決する。
たぶんね。
では、よいお年を。
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