カイロプラクティックの「音」に関しては前回書いた。
今度は「ソフトな治療」そして「痛くない治療」に関してである。
「ソフトな治療」
中には「ソフトカイロ」なんていうのもある。
何だそれ??
そもそも、何故「カイロプラクティック」に「ソフト」をつける必要があるのかを考えてみる。
そこには「カイロプラクティック」が「ソフト」じゃないという認識があるからだ。
これも勝手なイメージによる弊害に他ならない。
これは、これまでも述べてきた通り、勝手なイメージ先行によるところが1つ。
そしてもう1つが、その誤った認識を覆せないまでにヘタクソが多いという現実がある。
もっとも、そのヘタクソのほとんどがパチモンなわけだが…。
別に「カイロプラクティック」が「ソフト」じゃないわけではない。
「ソフト」じゃない「カイロプラクティック」を行うヤツが単にヘタクソなだけだ。
これはカイロプラクティックだけに限ったことではないだろう。
自分のヘタさを隠そうと、客寄せのために「ソフト」の冠をかぶるのか。
それとも、遠回しに自分が「上手い」と言わんとしているのだろうか。
だとしたら、エライ遠回し過ぎて、伝わんねぇぞ。
ヘタクソ以前に、そもそもカイロプラクティックじゃないんだろうな、きっと…。
[2回]
あと、「ソフト」と併用する形で「痛くない」を強調する場合も少なくない。
本来、カイロプラクティックは「痛くない」ので、わざわざ強調する必要はないのである。
もちろん、これも「ソフト」と同様、ヘタクソがやれば「痛くない」はずがない。
ただ、カイロプラクティックはそのテクニックの性質上、痛い部位に触れなければいけないケースが多々ある。
そのため、ある程度は痛いと思ってもらった方がいいだろう。
全く痛くないと言えばウソになるし、「全く」というその表現自体がすでにウソ臭い。
大体、「痛くない」と唱っておいて、後から「痛かったじゃないかっ!!」とクレームがついたら、どう対処するのだろうか??
こっちとすれば「多少は痛いでしょ」という感覚でも、「痛くない」と唱った以上はリスクを伴う。
ましてや、モンスターが相手だったりすると、それこそタチが悪い。
それならいっそ、最近の流れを汲んで、料金変換システムでも導入してみたらどうだろう。
「痛かったら料金をお返し致します」とかいうヤツね。
あと、「代金お任せ」というシステムも最近は増えてきているらしい。
ホテルの宿泊料とか、レストランの料金を、利用した本人がそれに見合うと思う代金で支払うというモノだ。
例えば4,000円くらいのコースでも、人によっては1万円くらい払ってくれるらしい。
ちなみにこのシステム、関東では割と黒字になるのに対し、関西ではほぼ赤字になるという。
何となーく、納得。
話がやや逸れてしまった。
ここまで好き勝手に書いたみたものの、やっぱり気になったので、有識者に尋ねてみた。
そもそもは、スラストを行わないテクニックに対してつけられたネーミングだった、とのこと。
いわゆる、SOTに代表される、私達が言うところの「ロー・フォース(Low Force)」テクニックである。
(SOTに関して、取り敢えずこの場では「あー、そういうのがあるんだー」程度に流しておいて下され)
しかし、それでは一般的には通じない。
そこで思いついたネーミングが「ソフト」だったらしい。
とはいえ、「ソフトカイロ」という言葉からSOTは思い浮かばない。
少なくとも、私の中では。
申し訳ないが、どうしても胡散臭い側を考えてしまう。
SOTを知らない一般の人はともかく、他の先生方ははどう受け止めているのだろうか。
「カイロプラクティック」の名称は確かに普及している。
が、実のところは、私たちが考えているほどにはまだ普及していないのではないか。
施術者側と利用者側との間にある考え方のギャップは、私達が考えている以上に大きいように思える。
事実、未だに『「カイロプラクティック」って、何??』という質問が出るくらいである。
本当の意味での「カイロプラクティック」の確立は、世間一般ではまだまだと言わざるを得ない。
その不確立な文言に「ソフト」がつけられる。
訳が解らなくなっても当然に思える。
今となっては、SOTを用いている先生方にとっても、いい迷惑なのではないだろうか。
あらぬ誤解を解きつつ、正確に伝導する。
嗚呼、カイロプラクターは忙しい。
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