この週末、「カイロプラクティック・ソウルナイト」というイベントが行われた。
これまでは単なる裏方だったのだが、今回はスピーカーの1人として参加することになった。
舞台の上に立って動く私、変な感じである。
まずは、参加して下さった皆様に深くお礼を申し上げたい。
こちらが想像していた以上にたくさんの観客からの温かい拍手に包まれたことが、何よりも嬉しかった。
こうした経験は、人生においてそうあるものではない。
今回は私が幸運にも実感できた体験を綴っていきたいと思っている。
当然ではあるが、長くなるだろう。
1回で書き尽くせるとはとは到底思えない。
これまでの裏方としての参加者目線と違い、今回は当事者目線で書くことになる。
参加して下さった方からすれば、裏話のような感覚で楽しめるかもしれない。
今回、参加できなかった方も、次回への興味を掻き立てて頂きたいと思う。
ま、そこまでの文才は私にはないのだが…。
[1回]
当日、緊張は全くと言っていい程無かった。
前日、前夜祭のような形で終電近くまで飲んでおり、練習は全くしていない。
通しで練習したのはそれまでも2・3回位しかなかったが、何となくできるような気がしていた。
しかしながら、やはり本番はそんなに甘くはなかった。
一番の失敗は、パワーポイントの設定ミスである。
数少ない練習の時に使用したリハーサル・モードの設定を、オンにしたままで保存してしまったのだ。
そのため、こっちのペースや操作と関係なく、スライドが自動的に先へ進んでいってしまうのである。
スピーチの時、私は原稿を作らない。
パワーポイント使用の場合は、スライドを見て話す内容を決めている。
言わば毎回アドリブのような形となるので、スライド毎の長さはその度に変わってきてしまう。
結果、常に後ろからせっつかれる感じで、それを懸命に抑えながらのスピーチとなってしまった。
舞台上に居ながら、やたらと後ろを向いていたのはそのためだ。
一部ネタを仕込んだスライドもあったので、それが先に出てしまっては元も子もない。
パワーポイントの操作リモコンの使い方が最初分からなかったことも逆手に取った。
途中、操作ミスが何度となくあったと思うが、そのほとんどが意識的なモノだ。
ミスをすることで時間がリセットされることを利用して、パワーポイントの勝手な進行を妨げていたのだった。
それくらいなまでに、パワーポイントには気を取られてしまった。
おかげで、早口にはなるわ、言葉足らずの説明不足だわで、精神的な余裕は全くなかったと思う。
緊張は、舞台袖では腕に痺れを感じる位にまで高まっていたが、舞台上ではそれも収まっていた。
ただ、思った以上の観客数と、その中に数人の著名な先生方が確認でき、違う意味での緊張は瞬間芽生えた。
先の理由もあって、余裕は更に無くなった。
それでも、講演終了後の反応は上々だったように思う。
「面白かった」「楽しかった」という意見が9割強。
その後の懇親会でも内容に関する質問等は一切無く、こちらの意図がキチンと伝わったのかどうかは不明のまま。
以前より私を知る人からは、「先生らしくて良かった」という評価を頂いた。
逆に「あんな人だったっけ??」という意見も少なくなかった。
緊張のあまり、私が舞台上で固まってしまうのではないか…と思われてもいたらしい。
「期待は裏切る」と前もって宣言しておいたが、そこは宣言通りになったということか。
大御所の先生から「楽しませてもらいました」とのお声を頂けたのは素直に嬉しかった。
「今度からはセミナーでもそのキャラでお願いします」と言って下さった先生もいらっしゃったが、そこまではちょっと…。
ただ、著名な先生からは『「ちゃんとカイロプラクティックしなさい」か??』と尋ねられたりもした。
私の口から出るのは「申し訳ございません!!」、この一言のみである。
「ソウルナイト」終了後は一介の下っ端に戻る。
居酒屋においても、他の参加者の席の確保とビール運びとして働く。
よく見られる光景で、それを誰も不思議に思わない。
マイナーキャラは健在のままだ。
今回の「ソウルナイト」は終わった。
終電を逃し、タクシーで帰路についた私は、目覚ましをセットしたにもかかわらず翌昼12時まで眠っていた。
おかげで旧友のワークショップは逃してしまったが、約12年ぶりの再開は辛うじて果たすことができた。
彼は私に2人の子供の写真を携帯で見せてくれた。
見せるモノがない私は、お台場にそびえ立っていたガンダムの写真を携帯で見せようとした。
しかし、ワークショップの聴講生に彼を連れ去られてしまった。
…、やっぱり私の元にはほとんど誰も来ない。
マイナーだ。
今回の「ソウルナイト」は三者三様の内容で、楽しめたのではないだろうか。
地方でカイロプラクターとして生きることなど、私には想像もつかない話だった。
また、ストレート・カイロプラクティックの話はそうそう聴ける話ではないだけに貴重だったと思う。
共にいろいろ考えさせられたけれども、私自身は純粋に楽しめた。
これで私が壇上に立つことは、今後しばらくはないだろう。
ただ、「ソウルナイト」とはこれからも付き合っていくつもりである。
最後に、新しい出会いや刺激を与えてくれた全ての人に、改めて感謝したいと思う。
ありがとう、カイロプラクティック。
ありがとう、ソウルナイト。
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